異類婚姻譚

「ある日、自分の顔が旦那の顔とそっくりになっていることに気が付いた。」――結婚4年の専業主婦を主人公に、他人同士が一つになる「夫婦」という形式の魔力と違和を、軽妙なユーモアと毒を込めて描く表題作ほか、「藁の夫」など短編3篇を収録。大江健三郎賞、三島由紀夫賞受賞作家の2年半ぶり、待望の最新作!

炎上チャンピオン

「もう一度、夢を見させてやる」 エンタメが禁止された世界で、一人の男が立ち上がった。 悪いことをしたら、プロレスラーみたいになっちゃうわよ。主婦の間でそう言って子供をしつけるほどに、プロレスラーは嫌われていた。世間のバッシングを受けて『プロレス自粛宣言』が出された。 かつてショービジネスに生きた男たちは、プロレスへの熱い思いを抱えたまま、再就職先も見つからず、各地で悶々とした歳月を過ごしていた。 自粛から数年後、謎の男によるレスラー狩りがはじまり、プロレスはいよいよ窮地に追いやられる。 そんなとき、一人の男が立ち上がった。 かつて世論に負けた人々は、すべてを賭けて起死回生の勝負に出る。

ルパンの娘

三雲華(みくも・はな)は恋人の桜庭和馬(さくらば・かずま)の家に挨拶に行くこととなった。緊張する華にたいして、和馬は優しく話しかける。ついに桜庭家に到着した華は、玄関に飾られていた桜庭家の家族写真を見て唖然とした。全員が警察の制服らしき服装に身を包み、それぞれ敬礼のポーズをしていたからだ。 最悪だった。華が育った三雲家は、代々泥棒を生業としており、一家全員が盗人だったからだ。 果たして華と和馬の恋はうまくいくのか――。 その後のある日、荒川の河川敷で男の焼死体が見つかり、和馬は現場に急行した。 その被害者は華の祖父、三雲巌(いわお)だった。 超一流の泥棒であった祖父を殺した犯人とは――。 読み進めるほどに出てくる衝撃の展開と新たな謎。1ページも目が離せない、気鋭乱歩賞作家の勝負作!

片耳うさぎ

小学六年生の奈都は、父の実家で暮らすことになった。とんでもなく大きくて古い屋敷に両親と離れて。気むずかしい祖父に口うるさい大伯母。しかも「片耳うさぎ」をめぐる不吉な言い伝えがあるらしいのだ。頼りの中学三年生さゆりは、隠し階段に隠し部屋と聞いて、張り切るばかり―二人の少女の冒険が“お屋敷ミステリー”に、さわやかな新風を吹き込む。(「BOOK」データベースより)

スマイルメイカー

腕のいい運転手がいればピンチはチャンスに変わる。強盗少年とお人好しドライバーの全てを懸けた逃走劇!―家出少年が、濡れ衣を着せられた男が、バツイチの女性弁護士が、右手を上げてタクシーを止める。少年は失踪し、タクシーは消え、思わぬ真実が待ち受ける。江戸川乱歩賞作家が満を持して完成させた感動と興奮の書き下ろし長編ミステリー! ――子供だろうが老人だろうが、テロリストだろうがロマンチストだろうが、金さえ払ってくれれば誰でも乗せる。そしてどんな人間でも、このタクシーから降りるときには必ず笑顔になる。それがスマイル・タクシーだ。(本文より)

ダブル・ジョーカー

結城中佐率いる“D機関”の暗躍の陰で、もう一つの秘密諜報組織“風機関”が設立された。だが、同じカードは二枚も要らない。どちらかがスペアだ。D機関の追い落としを謀る風機関に対して、結城中佐が放った驚愕の一手とは―。表題作「ダブル・ジョーカー」ほか、“魔術師”のコードネームで伝説となったスパイ時代の結城を描く「柩」など、5編を収録。吉川英治文学新人賞&日本推理作家協会賞W受賞の超話題作『ジョーカー・ゲーム』シリーズ第2弾、早くも登場。

ジョーカー・ゲーム

結城中佐の発案で陸軍内に設立されたスパイ養成学校“D機関”。「スパイとは“見えない存在”であること」「殺人及び自死は最悪の選択肢」。これが、結城が訓練生に叩き込んだ戒律だった。軍隊組織の信条を真っ向から否定する“D機関”の存在は、当然、猛反発を招いた。だが、頭脳明晰、実行力でも群を抜く「魔王」―結城中佐は、魔術師の如き手さばきで諜報戦の成果を挙げ、陸軍内の敵をも出し抜いてゆく。東京、横浜、上海、ロンドンで繰り広げられる最高にスタイリッシュなスパイ・ミステリー。 (「BOOK」データベースより)